『blast ブラスト!』のレジェンド、石川直が語る、

最高に楽しい”魅せる”音楽エンターテインメントとは!?

2024.3.19更新

「金管楽器(ブラス)」「打楽器(パーカッション)」「ヴィジュアル・アンサンブル(ダンサー/カラーガード)」の3つのパートから構成され、それぞれが驚異的な演奏・技術・演技を披露する圧巻のパフォーマンスショー『blast ブラスト!』がこの夏、来日する。2000年に日本人初の「ブラスト!」入団を果たし、ブロードウェイの舞台にも立ち、名実ともに「ブラスト!」来日公演を牽引してきた石川直(パーカッション)に、今回の公演の見どころや意気込みを聞いた。

―石川さんは2000年に日本人初の「ブラスト!」入団を果たし、以降、ブロードウェイ公演や日本公演に出演されてきました。再び、今回ご出演が決まったお気持ちを聞かせてください。

ものすごくやりがいのある舞台ですので、再びこの舞台に立てることが素直に嬉しかったです。コロナ禍でエンターテインメントが難しくなっていた時期もありましたし、先々をなかなか考えられない時期もありましたので、余計に今回再び、このステージに立てる喜びは大きいです。

―これまで「ブラスト!」に出演し、パフォーマンスされたからこそ分かるこの公演の魅力は?

とにかく観に来ていただいたお客さまも、演じている僕たちも楽しいというのが1番です。「ブラスト!」には、お祭りを開催するような感覚があるんですよ。(会場は)観に来てくださる方と一緒に楽しむ場。僕は“究極のホームパーティー”だと言っていますが、お客さまも一緒になって盛り上がって、一緒になって楽しめるというのが「ブラスト!」だと思います。「ブラスト!」は、公演中、客席に入って演奏するのが特徴です。さらに、休憩中や公演終了後に我々がロビーに出ていってパフォーマンスをしたり、お客さまと近い距離で交流ができます。舞台パフォーマンス、舞台エンターテイメントとしてはなかなか珍しい機会だと思います。客席と舞台の垣根を壊していくことで、一緒にこの空間や時間を共有できるというのが「ブラスト!」の楽しさ、面白さかなと思います。

2012年来日公演

―石川さんにとって「ブラスト!」はどんな存在ですか?

ライフワークです。僕は中学、高校の頃にマーチングバンドや吹奏楽、オーケストラを始めたのですが、その時にはまさかそれを続けられるとは思ってもいませんでした。こうして「ブラスト!」として、中高時代にのめり込んだことを今も続けていられるのは本当に光栄なことだと思いますし、幸運だなと思います。

―では、これまでの「ブラスト!」での活動やツアーで印象に残っている出来事を教えてください。

気心知れた仲間たちと日本ツアーができたのは本当に嬉しく、楽しい出来事でした。もちろんアメリカでもツアーはやっていましたが、日本の様々な場所に仲間たちを連れていけたことは、特に思い出に残っています。休演日にみんなで箱根に温泉に浸かりに行ったり、鎌倉に行ったり…昔はオフの日は、僕がツアコンをやっていたんですよ(笑)。日本の文化を紹介するために、様々なところに行きました。近年は、日本リピーターの「ブラスト!」キャストも多いので、僕がツアコンするまでもなく、みんな自由に行きたいところに行っていますが、始まった当初は僕がいろいろなところに連れて行ってました。

―今回も全国各地を回ります。全国ツアーで楽しみにしていることは?

たくさんの皆さんに観ていただけることです。「ブラスト!」シリーズ自体が5年ぶりの公演になりますし、前回のツアーはディズニーバージョンだったので、オリジナルバージョンの公演は本当に久しぶりです。オリジナルバージョンをたくさんの方に観ていただけるというのが1番の楽しみです。

―オリジナルバージョンは、どのような公演内容になるのでしょうか?

かなりスピーディーな動きのあるステージになります。ドラムに関しては、ドラムバトルといわれるドラマーたちが動きながら殺陣をするようにドラムスティックで殴り合いながら演奏するシーンもあります。かなりアクティブで激しいシーンもあれば、クラシックからジャズ、ブルーズ、ロック、テクノ、ラテンまで様々な楽曲を演奏します。吹奏楽やオーケストラでもおなじみの曲もたくさん演奏するので、盛りだくさんに詰まったショーになっています。この公演は「色」がテーマになっているので、各シーンで色が変わっていくのも特徴です。例えば「ブルー」のシーンではブルースやジャズを演奏し、「ブラック」のシーンでは打楽器のバトルがあり、「レッド」のシーンでは情熱ある楽曲を演奏します。色彩と音楽のジャンルをうまく織り交ぜて、2時間かけて披露します。音と色彩の旅路をイメージした内容になっています。

―これまで全国ツアーをしていて、日本ならではだと感じたことはありますか?

まず、日本の観客の皆さんは「ブラスト!」をとても好きでいてくださっていることを実感できます。僕たちが休憩中や終演後のロビーに出た時のリアクションがとても大きいんですよ。アメリカよりも日本の方が圧倒的に活力がある。その勢いは日本ならではですね。演者である我々としてはリアクションが大きいのはすごく嬉しいですし、テンションが上がっているお客さまの様子を見て、感想をその場で聞けるというのはとてもありがたいですし、嬉しいです。

―今回のツアーには、石川さんの他に日本人キャストが3名参加されます。まず、トランペットの渋田華暖さん、ヴィジュアル・アンサンブルの丹澤里穂菜さんの印象を教えてください。

まだ渋田さんと丹澤さんとはお会いしていないので、パフォーマンスも生で観たことがないのですが、渋田さんは幼少期の頃から「ブラスト!」に憧れていたと聞いています。なので、まだ自分がいることにびっくりするんじゃないかなと(笑)。まだいるの?って(笑)。ですが、お二人とも全国トップレベルの学校で吹奏楽をされていて、グランプリもとっているので、お墨付きですね。実力がある方たちだと思うのでとても楽しみです。

―もう一人の日本人キャスト、トランペットの米所裕夢さんとはこれまでも「ブラスト!」として共に活動し、公私に渡って交流があると聞いています。

そうですね。気づけば彼が入ってきてから12年以上経ってしまいました(笑)。彼は19歳で入ってきて、当時は初々しい感じでしたが、今では頼りになる仲間です。彼は器用で、どんなジャンルの音楽でも吹けてしまうので、柔軟性があり、言えばなんとかしてくれる力を持っています。今は、日本の音楽業界で仕事をしながら「ブラスト!」にも参加されるので、経験値もさらに上がっていると思います。彼のように経験を積んでいる人間がいるとチームとしてもありがたいですね。

―ツアーごとにメンバーが変わることもありますが、それでも変わらない「ブラスト!」らしさはどんなところにあると思いますか?

もちろんパフォーマンスのコンテンツ自体が変わらないということはあります。それから、メンバーが違っても、そのメンバーの出身が大体一緒なんですよ。同じようなバックグラウンドを持った人たちが集まっています。例えば、アメリカのマーチング、ドラムコーを経験しているとか、カラーガードの世界大会に出演していたとか。そうした経験をみんながしているから、どこか同じ学校の卒業生のような雰囲気があります。おこがましい言い方ですが、「甲子園出場者が集められたチーム」のような、共通している経験や空気感があるんです。そしてまた、「ブラスト!」メンバーの特徴として、音楽教育に携わっているということも挙げられます。演奏やパフォーマンスができるという以外にも教えることができたり、曲のアレンジや作曲ができるんですよ。指導者でもあり、クリエイターでもあり、パフォーマーでもある。その3本柱が揃っている人たちが集まってきます。なので、そうしたメンバーが、2ヶ月寝食を共にして、リハーサルを重ねていくと、そこでまた様々な化学反応が生まれます。それはリハーサル中の楽しみでもあります。学び上手な新人たちがベテランたちの話を聞きながらまとめていくことで、最終的に「ブラスト!」ファミリーになっているという感覚があります。

―最後に、改めて公演の見どころや初日に向けた意気込みをお願いします。

「ブラスト!」は、音楽のサーカスです。予備知識や音楽的な知識ゼロで観に来ていただいても楽しめるショーです。夏祭りに行くのに祭りの勉強してから祭りに行かないのと一緒で、手ぶらで、何も知らずにプラッと来ていただいて楽しめるのが魅力の1つです。もちろん、音楽をやっている方たちにも喜んでいただいてる作品になっていると思うので、ぜひご覧いただきたいです。きっと「音楽の表現は、こんなにも自由でいいんだ。こんな見せ方もあるんだ」ということを知っていただける機会になるのではないかと思います。

【石川直プロフィール】

2000年~2019年 『blast ブラスト!』シリーズ出演(日本ツアー2003年〜)
2005年~2024年 堂本光一主演舞台『Endless SHOCK』出演(2024年出演予定)

・マーチングスネアドラムソロ世界大会、5回出場中3回優勝、2回準優勝(日本人初、日本人最多)
・アメリカのドラム・コー(DCI) 最高峰ドラムラインに日本人初入団。
・DCI ワールドチャンピオン2度獲得
・DCI ハイパーカッション賞2度獲得

13歳でアメリカに渡り、15歳よりパーカッションを始める。
The Cavaliers Drum and Bugle CorpsやThe Blue Devils Drum and Bugle CorpsでDCIに参加。
2000年 『blast ブラスト!』に初の日本人として入団、アメリカ国内ツアーに参加。
2001年 ブラスト!でブロードウェイ進出。同年5月から、スネアドラムのソリストに選ばれ、オープニング曲の「ボレロ」をはじめ、重要なパートを任される。後にアメリカ国内ツアーにも参加。
2002年 日本帰国。
2003年~2019年ブラスト!日本ツアー に日本人唯一のパーカショニストとして参加。ショーの一部のアレンジに関わると同時に、リーダー役としてグループをまとめ、他のメンバーへの指導も任される。
2005年~2019年堂本光一主演舞台「Endless SHOCK」にキャストとして選ばれ続け、現在カンパニーの中で堂本光一氏の次に長く出演している。またドラムの指導と共にショーの一部の構成/演出にも関わる。
  出演、共演、構成、演出、指導など活動は多岐にわたる。現在もクラブシーンでのパフォーマンスや、吹奏楽、オーケストラ、ジャズ、民族音楽、J-POPとの共演等、ジャンルを問わず活動を続ける傍ら、TVなど多方面で活動しながら国内外でのマーチングバンド/ドラムコー指導など、後輩の育成にも力を入れている。

「2007年大阪世界陸上」、「鼓喇舞(コラブ)」、「嵐」5大ドームツアー「Japonism Tour 2015」、フジテレビ系列「ライオンのグータッチ」(2シーズン)、「ワンピース音宴」、天理教校学園高校マーチングバンド部、宝塚歌劇団、Boston Brass、パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団、佐渡裕指揮シエナウインドオーケストラなど

【東京公演】
会場:東急シアターオーブ (渋谷ヒカリエ11階)
日時:2024年7月30日(火)〜8月12日(月休) 全18公演
※上演時間2時間予定(休憩含む)
※ロビー開場:開演45分前 / 開場:開演30分前

料金:S席 13,800円 / A席 10,800円 / B席 8,800円 (税込・全席指定)

チケット販売:https://tickets.kyodotokyo.com/blast/
<先行販売>3月16日(土)10:00〜4月12日(金)23:59
<一般発売>4月13日(土)10:00〜

主催・企画製作:フジテレビジョン/キョードー東京
問い合わせ先:キョードー東京 0570-550-799 (平日11:00~18:00、土日祝10:00~18:00)

【2024年全国ツアー】
2024年7月28日(日)〜9月16日(月祝)全21会場48公演
詳細はホームページよりご確認ください。 
公式ホームページ:https://blast-tour.jp