越境~BORDER CROSSING~石田組×SUGIZO

ライブレポート到着

2024.2.22更新

2月21日、渋谷のLINE CUBE SHIBUYAにて「越境〜BORDER CROSSING〜石田組 × SUGIZO」の東京公演が開催された。解体前の渋谷公会堂としては隣接するNHKホールよりも歴史は古く、クラシック音楽の伝統とも呼ばれたこの場所で、2020年代のクラシックコンサートと呼ぶに相応しい公演が開かれた。21世紀以降のクラシック界を牽引してきた凄腕たちが集結した石田組は、演奏のクオリティは桁外れ、映画音楽やヘヴィメタルなどジャンルを横断するプログラムも非常に魅力的だ。そして、SUGIZOは言わずと知れたLUNA SEAのメンバーにして邦ロック界を代表する名ギタリストであり、クラシック音楽に出自を持つことでも知られる。ファンならずとも誰もが納得する今回のコラボレーションであったが、実際のステージは観客の想像を超えるほどの緊密なアンサンブルが披露された。SUGIZO原曲のLUNA SEAナンバーが散りばめられているのも堪らないし、SUGIZOの弾く「天国の階段」のギターソロなんてこんな機会がなければ聴くことはないだろう。出色だったのは石田組のコンサートに欠かせないキング・クリムゾン「21世紀のスキツォイド・マン」。レコードに針を落とした瞬間に始まるあの不穏なノイズすら完全再現するという彼らの名レパートリーであるが、ここにSUGIZOのギターが重ねられると作品としての解像度がぐっと上がる。現代音楽の見本市のような混沌としたハードロック・ナンバーをクラシック音楽として成立させてしまう表現者としてのSUGIZOのセンスに脱帽させられた。25日には大阪公演を控えている。今も彼らのサウンドが耳に残る。これだけで終わってしまうのは余りにも惜しい。

記事=小崎 紘一 写真=ハービー山口

<セットリスト>
レッド・ツェッペリン「カシミール」
レッド・ツェッペリン「天国への階段」
ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」
バルトーク「ルーマニア民俗舞曲」
LUNA SEA「IN SILENCE」
シベリウス「アンダンテ・フェスティーヴォ」
キング・クリムゾン「21世紀のスキッツォイド・マン」
David Bowie「Life on Mars?」
クイーン「ボヘミアン・ラプソディー」
SUGIZO 「Synchronicity」
LUNA SEA 「I for You」
※演奏曲は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承ください。

<石田泰尚(いしだ・やすなお)プロフィール>
神奈川県出身。国立音楽大学を首席で卒業、同時に矢田部賞受賞。新星日本交響楽団コンサートマスターを経て、2001年神奈川フィルハーモニー管弦楽団ソロ・コンサートマスターに就任。以来“神奈川フィルの顔”となり現在は首席ソロ・コンサートマスターとしてその重責を担っている。これまでに神奈川文化賞未来賞、横浜文化賞文化・芸術奨励賞を受賞。自身がプロデュースした弦楽アンサンブル“石田組”など様々なユニットでも独特の輝きを見せる。2020年4月より京都市交響楽団特別客演コンサートマスターを兼任。2022年6月に初の著書となる「音楽家である前に、人間であれ!」を刊行。
使用楽器は 1690 年製 G.Tononi、 1726 年製 M.Goffriller

<石田組>
ヴァイオリニスト石田泰尚の呼びかけにより2014年に結成された弦楽合奏団。プログラムによって様々な編成で演奏をするスタイルを取っており、メンバーは“石田組長”が信頼を置いている首都圏の第一線で活躍するオーケストラメンバーを中心に公演ごとに“組員”が召集される。レパートリーはバロック音楽から映画音楽、プログレッシブ・ロックまで多岐にわたり各々のスタイルをぶつけ合いながら織り成す演奏スタイルは弦楽アンサンブルの新しい世界を切り拓く存在として各方面から注目されている。2023年にはアルバム『石田組 2023・春』、『石田組 2023・夏』を連続リリースした。2024年11月には日本武道館公演(https://ishida-gumi.jp)が予定されている。

<SUGIZO プロフィール>
作曲家、ギタリスト、ヴァイオリニスト、音楽プロデューサー。
日本を代表するロックバンドLUNA SEA、X JAPAN、THE LAST ROCKSTARSのメンバーとして世界規模で活動。
同時にソロアーティストとして独自のエレクトロニックミュージックを追求、更に映画・舞台のサウンドトラックを数多く手がける。
2020年、サイケデリック・ジャムバンド SHAGを12年振りに再始動。
2022年、環境への配慮と高い美意識とを両立させた、ロックなエシカル・ファッションを提唱する自身のアパレル・ブランド「THE ONENESS」を始動。
音楽と並行しながら平和活動、人権・難民支援活動、再生可能エネルギー・環境活動、被災地ボランティア活動を積極的に展開。アクティヴィストとして知られる。

【公演名】越境 ~BORDER CROSSING~ 石田組×SUGIZO
【公演日程】
東京公演:2024年2月21日 (水) 18:30開演 会場:LINE CUBE SHIBUYA<終了>
大阪公演:2024年2月25日 (日) 14:00開演 会場:フェニーチェ堺

【出演】石田組、SUGIZO

*石田組(ヴァイオリン:石田泰尚、佐久間聡一、塩田脩、ビルマン聡平、村井俊朗、伊東翔太
ヴィオラ:生野正樹、萩谷金太郎、長石篤志 チェロ:奥泉貴圭、弘田徹、塚本慈和
コントラバス:米長幸一)

【プロデュース】立川直樹

【チケット料金(税込)】 全席指定 8,900円
※未就学児入場不可 ※チケットはお一人様1枚必要です。
※車イス席をご利用ご希望のお客様は各お問い合わせ先までお電話にてご連絡ください。

【チケット販売中】
<大阪公演>
イープラス
チケットぴあ
ローソンチケット
楽天チケット
フェニーチェ堺
堺市文化振興財団チケットセンター 0570-08-0089(平日・土日祝 10:00~18:00)
フェニーチェ堺プレイガイド窓口 9:00~20:00 ※休館日:第1・3月曜(祝日の場合は開館)、年末年始
CNプレイガイド 0570-08-9999(10:00~18:00 オペレーター対応)

【主催】FM COCOLO/キョードー大阪/キョードー東京 共催:フェニーチェ堺(大阪公演)

【お問い合わせ】
大阪公演:キョードーインフォメーション 0570-200-888(月~土11:00~18:00 日祝休み)