大人な味わいなミュージカル・・・
しかし決して、難解ではない。
（演出：山田和也）

5月26日（火）都内にて、ミュージカル「貴婦人の訪問 THE VISIT」の
製作発表記者会見が行われた。

演出を務める、山田和也。
キャストからは、山口祐一郎、涼風真世、春野寿美礼が登壇した。

今回は約1500名の中から、抽選で選ばれた50名のオーディエンスも
参加し、華やかな会見となった。

本作は、映画化もされたスイスの作家フリードリヒ・デュレンマットの名作
「貴婦人の訪問」が、現代的なエンターテイメント性に満ちた演出で、
ロマンティックなミュージカルとしてウィーンに蘇った。

男女の濃密な愛憎劇に加え、"集団心理""拝金主義"など、
現代にも十分通じる社会的なテーマを織り込んだ物語を
メロディアスでエモーショナルな音楽でロマンの香り豊かに彩られたミュージカル。

2013年にスイスで初演、2014年にウィーンで大ヒットした
最新ミュージカルが早くも日本ミュージカル界のトップスターを迎え、
日本初演を果たす。

登壇者一人ずつ、意気込み等のコメントをもらった。
まずは演出を務める、山田和也から、

「とてもロマンティックで、情熱的で、でも運命批評的なシニカルな部分もあり、
大人な味わいのミュージカルだなと思ってます。」

「原作が寓話のように書かれており、渇いた笑いがふんだんに盛り込まれているが、
ミュージカルはもう少しロマンティックな方に寄っていて、
運命のドラマ、愛と憎しみの物語が展開されます。」

「皆様の期待に背かないようなミュージカルにしたいと思います！」

と意気込みを語った。
ストーリーに加え、音楽の美しさ、素晴らしさも話し、
スイス、ウィーンと2カ国での上演に続き、日本上演も期待できそうだ。

続いて、キャスト3名よりコメントをもらった。

まずは、アルフレッド役：山口祐一郎が話し始めると、
役柄について、わかりやすく、感情を込めて、
「このストーリーがミュージカルで良かった…（大笑）」
と時に笑いも含めながら語った。

そして、クレア役：涼風真世は、
「誠心誠意、クレアという役に完全燃焼できるように
頑張りたいと思います！」
と意気込みを語った。

最後に、マチルデ役：春野寿美礼は、
「夫を愛し、子供を愛し、家庭を守り抜く、そんな気持ちで溢れている女性を
しっかりと演じ切りたい！」
とこちらも気合い十分の様子だ。

そして、記者からの質問で、
"楽曲の印象"についてコメントした。

山口は、
「基本的に新しい作品は、作る方も今までにない魅力的なものを作ろうとして、
より複雑になる。ただ聞く方はとても楽しく、魅力的なものを感じられる。
なので、僕たちは死ぬほどお稽古して頑張ります！（笑）

また、人間関係を楽曲で表現していくので、
デュエットだけでなく、カルテットもあったり、
人間関係でコード進行が変化していくので、大変です。」
とコメント。

涼風は、
「自分自身、ハードルが高いなと感じてます。
曲もそうだが、言葉（言霊）を音符に乗せ、その言葉をお客様に上手にお伝えできるように、
集中して、お稽古していかなくてはと感じております。」
と身を引き締めるようにコメントした。

そして、春野は、
「初めて聞いたとき、やはり音楽は人の心を感動させる力があると感じた。
本作も、ダイナミックな曲や、ロマンティックな旋律の曲、様々あり、
どの楽曲も心動かされてしまう。
メロディが同じでも、言葉を変え、空気を変えていかなくてはいけないので、
しっかりと表現できたら」
とコメントした。

山口は、場の空気を和ませる話術と、時に舞台の難しさ等、切々と理論を語る一面も。
しかしながら、終始穏やかな雰囲気を作り、来場していたオーディエンスを
すでに楽しませていた。

涼風は、ベテランの貫禄たっぷりで、
落ち着いた雰囲気を醸し出していた。

春野は、自身でもコメントしていたが、性格が"のほほんと楽天的"だそうだが、
その人柄が出ており、質問に対し、一つ一つ丁寧に言葉を選んで話していた姿が、
とても印象的だった。

演出の山田が、絶大な信頼を寄せている、
3人のベテランが魅せるステージは必見。

7月27日（月）〜29日（水）計4公演は、
プレビュー公演として、シアター1010にて行われる。

本公演の幕開け前に、いち早く観たい方は
ぜひシアター1010へ、お越しください！！

公式ホームページ：
http://www.tohostage.com/kifujin/