18年目のライブ・イマージュが東京・渋谷で開幕

2018.6.15更新

形のない「音楽」を聞き、あふれ出す「映像」を見たとき、人は心にどんな像(イマージュ)を思い描くのだろう? シリーズ累計350万部を超える人気コンピCD『image(イマージュ)』と連動した、リラクシング系のオムニバス・コンサート<live image 18 dix-huit>ツアーが、6月14日(木)東京・渋谷のBunkamura オーチャードホールで幕を開けた。18年目を迎えた今回は、安定の常連出演者に加え、初参加のギタリスト春畑道哉(TUBE)を迎えて、生のオーケストラサウンドと映像のコラボレーションが満員で埋まった2000人の音楽ファンを魅了した。

最初に登場したのはギターデュオ、ゴンチチ。音楽監督・羽毛田丈史と並んで18回全ての公演に参加した皆勤賞のゴンチチは、1曲目にアニメ『あまんちゅ!』のテーマ音楽「海と空と太陽と~morning~」を披露。舞台スクリーンには同作品のアニメーションが映し出され、オーケストラのストリングスともに、唯一無二の「ゴンチチ・サウンド」との心地よいコンビネーションが夏の一陣の風のように吹き抜けた。次いで、カンヌ受賞で話題の是枝裕和監督に提供した「朝」など絶妙な笑いを生む恒例のMCをはさんでの代表曲「放課後の音楽室」でゆったりと締めくくった。

続いての登場は、7月に初の全曲クラシック名曲集のリリースを控える宮本笑里。ライブ・イマージュ常連でもあったオーボエ奏者の父・宮本文昭の代表曲「風笛」の温かいメロディが、会場全体を癒しのムードに包み込んだ。

3組目は、今年で3回目の出演となるフラメンコギタリストの沖仁。2010年にフラメンコギターの国際コンクールで日本人で初めて優勝しただけあり、わが国最高峰の技術を余すところなく聞かせてくれた。フラメンコの故郷・スペインとの国交樹立150周年を記念して日本の伝統歌曲など、チック・コリア作曲のスタンダードナンバー「SPAIN」をかき鳴らし、会場の雰囲気が一変させた。

そして満を持して音楽監督&ピアニストの羽毛田丈史の出番。ライブ・イマージュの「顔」として、また昨年は紅白歌合戦で石川さゆりさんと『津軽海峡冬景色』での共演や、華々しく引退した安室奈美恵さんの最後の曲「finally」のストリングスアレンジ、さらには自身のソロコンサートを9月に控えるなど、いまや日本で最も多忙な音楽家の一人でもある。「Pianophonic」「地球に乾杯」「ROOKIES ~愛のテーマ~」といった代表曲のメドレーは、この夜で最も聴き応えがあったと言える。割れんばかりの大きな拍手とともに第1部が終了した。

第2部のトップ・バッターは、ブラックスーツを身にまとって登場した春畑道哉。さすがロックバンド「TUBE」のギタリスト・作曲者であり、数多くのアーティストへの楽曲提供や8枚ものソロアルバムを発表しているベテランだけあって、今年25周年を迎えたJリーグのオフィシャルテーマソング「J'S THEME(Jのテーマ)25th ver.」では、オーディエンスからは自然に曲のリズムに合わせて手を振る「ワイパー」が生まれ、次回以降のライブ・イマージュ出演の期待が高まるパフォーマンスとなった。

コンサートも大詰めを迎えた6組目、満を持して情熱的な男が登場する。デビュー20周年、日本のタンゴ界をリードしてきた小松亮太だ。宮本笑里をゲストに招き、ジブリ映画『天空の城ラピュタ』のテーマ曲「君をのせて」を披露。ヴァイオリンに絡みつくバンドネオンが、おなじみの曲を緊張感あふれる大人の曲に変身させていた。こんな演奏を生で聴けるのは、世界広しといえども、ここライブイマージュだけなのは間違いない。小松の両腕で怪物のようにうねるバンドネオンがその姿を最大限に誇示して鳴き終わると、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。

その情熱的な雰囲気を引き継いで、エレガントなパープルピンクのドレスを身にまとった大トリ・高嶋ちさ子が「リベルタンゴ」を奏でる。出演5年目にしてまるで女王のような風格とともに、アルゼンチン・タンゴの巨匠ピアソラの名曲を、激しく、ときに優しくヴァイオリンで歌い上げた。もちろん合間のMCでは、彼女の歯に衣着せぬ毒舌トークも健在。「ヴァイオリンも弾く落語家」として、その話芸はたちどころに会場を爆笑の渦にも落とし込む。かと思うと、映画『ノッティングヒルの恋人』の主題歌「She」の甘い調べを2人のチェリストに挟まれて演奏したり、エルガーの「威風堂々」を迫力あるオーケストラとともに豪快に聞かせるなど、もはや向かうところ敵なしの貫禄のパフォーマンスでこの夜を締めくくり、本編が終了した。

アンコールでは、葉加瀬太郎作曲の「Together We Walk」と恒例の「マイ・フェイバリット・シング」を、出演者やオーケストラが全員でソロを回してツアーの初日を終えた。この後、ライブ・イマージュは出演者を一部変えつつ、東京と大阪の公演に続く。きっと来年も、再来年も、音楽を愛する人々の心に、潤いと安らぎと癒しの音楽体験を与え続けてくれることだろう。

【live image 18 dix-huit コンサート情報】
<出演アーティスト>
沖仁(フラメンコギター)/小松亮太(バンドネオン)/ゴンチチ(ギターデュオ)/羽毛田丈史(ピアノ)/宮本笑里(ヴァイオリン)/高嶋ちさ子(ヴァイオリン)※6/14東京のみ/春畑道哉(ギター)※6/14東京、6/24大阪のみ/LE VELVETS(ヴォーカルグループ)※6/24大阪、7/8東京のみ
<今後のスケジュール>
2018年6月24日(日)大阪・フェスティバルホール 開場16:00/開演17:00 (問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
2018年7月8日(日)東京・昭和女子大学 人見記念講堂 開場16:00/開演17:00 (問)キョードー東京 0570-550-799
<チケット料金>
全席指定 ¥8,640(税込み)
<ご注意>
※未就学児童の入場制限に関しましては、公演地により異なりますので各公演の お問合せ先へご確認ください。
※公演日・公演地によって出演者が異なりますので、日程をご確認の上お申し込み下さい。

後援:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
企画制作:オン・ザ・ライン

<live imege公式HP>
>>http://wwwww.co.jp/wwwww/liveimage/