「ブラスト!」が高支持を続ける理由 情熱的な感情が解き放たれる瞬間

©Yow Kobayashi / Ayumi Kakamu

「ブラスト!」が2003年以降に数回の日本ツアーを経て10年以上経過しても依然として高支持を獲得し続ける理由。
それはマーチングバンドを軸として緻密に計算された作品構成と、パフォーマー達が繰り出す超絶的技巧が掛け合わさったステージから、日常生活では眠っている情熱的な感情が解き放たれる、まさに爆風体験を味わう快感に尽きる。
 スネアドラムを筆頭とする打楽器達から打ち出される打音。 それらは人々が持つ原始的な衝動を呼び起こし、言葉では説明の出来ない高揚感が湧き上がってくる。 親しみやすい金管楽器が放つ安定感あるハーモニーと時に繰り出される超絶技巧的パフォーマンスは音を楽しむ喜びを心の底から感じる快感で満たしてくれる。 原色を基調とした色が各曲にはテーマとして与えられ、ステージの展開に文字通り彩りを添えているのだが、ボレロに始まりボレロのリズムで終わるステージの起承転結に織り交ぜて動と静、歓喜と哀愁を交互に繰り出す作品構成は見事という他はなく、観客達が味わう爽快感を一層高める役割を果たしている。
 パフォーマー達は約2時間の上演中、可能な限り観客とコンタクトを図ろうとし、この快感を共有できる喜びを分かち合い、その気持ちをさらに高めようと、ステージはもちろん会場全体を動き回り、卓越したパフォーマンスを披露する。 パフォーマーと観客との距離は限りなく縮まり、フィナーレへ向かって渾然一体となっていく。 終演と同時に会場全体が喜びで満ちあふれるシーンは何度観ても感動的だ。 こうして結実した充実感溢れる快感体験は、観た者にとって忘れ得ぬ生涯の財産となり、人生の折々でプラス面の作用をもたらすに違いない。

【開催情報】
8月 6日 (水) ~ 8月 24日 (日)
東京国際フォーラム ホールC
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9月 7日 (日) 17:30
茨城県立県民文化センター 大ホール
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