藤井フミヤ 全国116,000人を沸かせた40周年記念ツアー

武道館でのツアーファイナル ライブレポート到着!

2024.6.11更新

PHOTO:平野タカシ

藤井フミヤが6月9日(日)に日本武道館でコンサートを開催し、集まった14,000人のオーディエンスを沸かせた。

1983年9月、チェッカーズでデビューした藤井フミヤは、2023年9月23日の愛知県芸術劇場を皮切りに、全国47都道府県全てを廻る「40th Anniversary Tour」を開催。全60公演で116,000人を動員。この日、40周年記念イヤーを締めくくる61本目(奇しくもフミヤの年齢と同じ)のファイナル公演。フミヤにとってバンド時代から通算して111回目の日本武道館公演となった。

40周年イヤーのファイナル、ゾロ目の111回目となる記念すべきこの日の武道館は、アリーナ・エリアの中央に巨大な円形ステージが置かれた。360°に向けて組まれているので、どの席からもバンドを正面に見られ、八角形の日本武道館ならではの特設ステージだ。開演前に場内に流れるのは、チェッカーズがデビューした頃のホール&オーツ、ヴァン・ヘイレン、スタイル・カウンシルらの洋楽ヒット曲が流され、観客のモードは40年前に誘われる。

<ブロック1/THE CHECKERS>

中央の円形ステージを取り囲むように真っ白な緞帳が吊られており、中の舞台は客席から見えない。 17時6分、場内が暗転し緞帳にはメンバーのシルエットが映し出される。オーディエンスの期待がマックスまで昇華した瞬間、緞帳が切って落とされ舞台にメンバーが鮮やかに現れる。フミヤが『Hello!Everybody! I am here again!』とシャウトし、イントロが演奏されるや14,000人の大歓声が会場を満たす。オープニング・ナンバーは40周年イヤー公演に相応しく、チェッカーズのデビュー曲「ギザギザハートの子守唄」!この曲、「40th Anniversary Tour」でもセットリストに入っていたがオープニングで演奏したのは初めて。続けて「ジュリアに傷心(5thSg)」「星屑のステージ(4thSg)」とチェッカーズ・ナンバーが続けて演奏され、観客の興奮度は冒頭から最高潮に。

PHOTO:平野タカシ

3曲の演奏を終えフミヤは『40周年アニバーサリー・コンサートへようこそ!尚之もたまたま同じバンドにいたので、同じ40周年を迎えました。今日は40年分の皆さんの思い出と照らし合わせながら、最後まで楽しんでいってください!』と再び、チェッカーズ・ナンバーに。このコーナーではスタンドマイクを振り回すパフォーマンスも披露。倒したスタンドマイクを、つま先でグイッと上にあげる様が実にカッコいい。また円形ステージのセンターにサークルステージが設置され、フミヤがここに立つと回転し、360°どこからも見ることが出来る。6曲目に演奏した「NEXT GENERATION」はチェッカーズ時代にキュート・ビート・クラブ・バンド(C.B.C.B.)名義で発表した曲。こんなレアな選曲に古参ファンも大喜び。

ブロック2/ F-BLOOD

『チェッカーズがデビューしたのはバブル期の1983年。最初の10年はスーパーアイドルでした』と話し、客席の笑いを誘う。続けて『日本中どこに行っても、女の子からキャーキャー言われてまして(笑)。そんな経験なかなかできない』とデビュー当時を振り返る。『チェッカーズは解散しましたが、次はどっちかが死なない限り解散のないユニットやります!』とF-BLOOD コーナーに入る。1曲目はフミヤが作詞、尚之が作曲し猿岩石に提供した「白い雲のように(1996/1998)」。尚之はサックスからアコースティックギターに持ち替えふたりで美しいハーモニーを聴かせる。続く「未来列車(2017)」「SHOOTING STAR(1998)」はアップチューンナンバー。フミヤも回転するセンター・サークルステージに立ち360°のファンに向けて熱唱。

PHOTO:平野タカシ

ブロック3/SOLO

藤井フミヤがチェッカーズ解散後、本格的にソロ活動を始めたのが1993年。『30年前、1曲目が運良くヒットしました』とこここからはソロ・コーナーに。「TRUE LOVE(1993)」「Another Orion(1996)」...とソロでのヒット曲を惜しげもなく披露。「DO NOT(1996)」では美しいファルセットボイスを聴かせ、「Go the Distance(1997)」では櫻田泰啓のピアノ、藤井尚之のサックスにフミヤのボーカルの三重奏が儚げも美しい。このコーナーではセンター・サークルステージが日本武道館の天井近くまで上昇。フミヤの声は、あたかも天空から聞こえるような荘厳さを演出した。

ブロック4/ALL

チェッカーズが初めて日本武道館でコンサートを開いたのが1985年12月25日。以来、この日でフミヤは111回目の日本武道館のステージに立った。ソロとなって最初にここでやったのが1994年6月29日。20世紀から21世紀に変わる瞬間の1999年12月31日に初めてカウントダウン・コンサートを開き、2018年まで続けられた。ここは『色々な思い出があるのが、武道館です』と、感慨深けに語る。そして『俺と尚之はティーンエイジャーの頃、ロックンロールに身も心を持っていかれました』と中学生でバンド活動をスタートさせ、高校生でチェッカーズを結成した当時を振り返る。『ロックンロールは男と女が踊るための音楽!男女の恋のために作られたんです!』とロックとロックンロールの違いを話し『求愛しようぜ!ロックンロール!』と豪快なロックンロール・ナンバー「REVOLUTION 2007(1987)」になだれ込む。続いての「NANA(1986)」では冒頭、キャノン砲から金と銀のテープが発射され、場内は巨大なパーティー会場に一変。 F-BLOODナンバーの「LOVE IT ! ドーナッツ !(2008)」では、尚之とフミヤが円形ステージを廻りながらツインヴォーカルを披露。フミヤをがっつりとサポートするのは40周年ツアー60本を共にした5人編成バンド。バンドマスター/ドラムの大島賢治とベースの山田“Anthony”サトシのリズム隊がボトムをしっかり支え、沢頭たかしのギターと櫻田泰啓のキーボードが鮮やかに彩る。そして尚之のサックスが加わっての最強の布陣だ。19曲目に演奏した「GIRIGIRI ナイト(2016)」はバンドマスター大島賢治とフミヤとの共作曲。本編ラストはデジタル・ロックナンバー「UPSIDE DOWN(2001)」。キラキラとした照明が場内を激しく交差し、会場はさながら巨大なフロア状態に。フミヤもスタンドマイクをぶんぶん振り回して360°に向けて客席を煽り続け、最高潮に盛り上がって本編は終了。

ブロック5/アンコール

最初に演奏した2曲はチェッカーズ・ナンバーの「Song for U.S.A(11thSg/1986年)」と「哀しくてジェラシー3rdSg/1984年)」。フミヤはソロになってから演奏してきたチェッカーズ曲は、バンドのオリジナル曲が中心。この2曲はいずれも作詞:売野雅勇/作曲:芹澤廣明のアイドル時代のナンバーで、この時代の楽曲がステージで演奏されるようになったのは2021年のツアーから。それゆえ、古参ファンにとってはたまらないプレゼントだ。

そしてアンコール3曲目に演奏されたのが藤井フミヤ・コンサート恒例の「紙飛行機(1995)」。曲中、ファンが持ち寄った紙飛行機が会場中に飛び交う人気コーナーだったが、40周年記念ツアーで演奏されるのはこの日が初めて。フミヤから『用意はいいか!ここでしか見えない世界を見ようぜ!みんなの願いが叶いますように!飛ばせ!上げろ!』に応じて、紙飛行機が一斉に飛ばされる。広い武道館の紙飛行機の乱舞は圧巻の光景だ。最後は『40年間、歌わせていただいてありがとうございます』と集まったファンにお礼をして『みんなで祈れば、でっかい祈りになります。世界から戦争が無くなることを願って』とチェッカーズのアルバム"I HAVE A DREAM(1991)"に収められたフミヤ・作詞/尚之・作曲の「I have a dream」を、歌詞のひとつひとつに想いを込めじっくりと歌う。『また必ず会いましょう!一緒に遊ぼうぜ!ラブ&ピース!!!』と残し、ゆっくりとステージを降りた。全24曲、2時間30分。2023年9月から始まった全国47都道府県/61本の長いツアーが、111回となる日本武道館で締められた。

この日の模様はWOWWOWで生中継され、6月11日23時59分までアーカイブ視聴が出来る。

PHOTO:平野タカシ

<6月9日日本武道館/セットリスト(発表年度)>
ブロック1/THE CHECKERS
01.ギザギザハートの子守唄(1stSg/1983年9月21日)
02.ジュリアに傷心(5thSg/1984年11月21日)
03.星屑のステージ(4thSg/1984年8月23日)
04.I Love you,SAYONARA(13thSg/1987年3月5日)
05.Cherie(20thSg/1989年7月5日)
06.NEXT GENERATION(キュート・ビート・クラブ・バンド名義/al"親愛なるジョージ・スプリングヒル・バンド様"収録曲/1985年12月21日)
07.夜明けのブレス(23thSg/1990年6月21日)
ブロック2/F-BLOOD
vv 08.白い雲のように(al"F-BLOOD"収録曲/1998年3月11日)
09.未来列車(al"POP'N'ROLL"収録曲/2017年6月21日)
10.SHOOTING STAR(al"F-BLOOD"収録曲/1998年3月11日)
ブロック3/SOLO
11.TRUE LOVE(2ndSg/1993年11月10日)
12.DO NOT(12thSg/1997年5月7日)
13.Another Orion(10thSg/1996年8月7日)
14.Go the Distance(13thSg/1997年7月18日)
15.ALIVE(al"PURE RED"収録曲/1997年6月18日)
ブロック4/ALL
16.REVOLUTION 2007(チェッカーズ/al"GO"収録曲/1987年5月2日)
17.NANA(チェッカーズ/12thSg/1986年10月15日)
18. LOVE IT ! ドーナッツ !(F-BLOOD/al"Ants"収録曲/2008年1月23日)
19.GIRIGIRI ナイト(ソロ/al"大人ロック"収録曲/2016年7月13日)
20.UPSIDE DOWN(ソロ/19thSg/2001年5月23日)
アンコール
21.Song for U.S.A(チェッカーズ/11thSg/1986年6月5日)
22.哀しくてジェラシー(チェッカーズ/3rdSg/1984年5月1日)
23.紙飛行機(ソロ/al"R&R"収録曲/1995年6月7日)
24.I have a dream(チェッカーズ/al"I HAVE A DREAM"収録曲/1991年6月21日)

バンドメンバー
Vocal : 藤井フミヤ
Drums:大島賢治 /Bass:山田“Anthony”サトシ /Guitar:沢頭たかし /Keyboards:櫻田泰啓 Sax,Guitar:藤井尚之

<藤井フミヤ公式サイト>
https://www.fumiyafujii.net/