11月3日は手塚治虫の誕生日、そして「マンガの日」

手塚治虫生誕90周年記念プロジェクト『MANGA Performance W3(ワンダースリー)』「マンガの日」に開幕!

2017.11.07更新

『MANGA Performance W3(ワンダースリー)』がいよいよスタート

2017年11月3日(金)は、手塚治虫の90回目の誕生日であり、「マンガの日」でもある。秋晴れのこの日、手塚治虫の初期の名作「W3(ワンダースリー)が、”MANGA Performance”という、新しいエンターテイメントとして幕を開けた。

「W3(ワンダースリー)」は、今から50年以上前の作品だが、キュートな動物キャラクター、まっすぐな正義感を抱く少年、そして地球の危機、と手塚治虫らしい要素が満載で、今もファンの間で人気が高い作品だ。演出をつとめるのは、プロジェクションマッピングを駆使した2.5次元の舞台で注目を集める、ウォーリー木下だ。ウォーリー木下と言えば、ノンバーバルの舞台で、海外で高い評価を受けていることでも知られている。だが、そんな彼でも「手塚治虫作品のように複雑で壮大なストーリーの作品を、台詞をほとんど使わずに表現するのは初めての経験」ということで、7月のトライアウト以来、何度も試行錯誤を重ねて、初日の開幕に至った。

マンガをそのまま舞台に投影したようなプロジェクション・マッピング、一人で何役もこなすキャストたちの切れのあるパフォーマンス、宇宙空間を表現するプラネタリウムのような美しい映像で、手塚治虫の世界観が見事に表現されていく。観客とコミュニケーションをとる、ウォーリー木下らしい演出もあり、飽きさせない。まさに、国籍も言語も、年齢も超えて楽しめるエンターテインメントだ。

照明や音響、プロジェクションマッピングをの演出で、舞台を壮大な宇宙空間に変え、ストーリーをテンポよく展開していく手法は、ウォーリー木下ならではのセンスの良さを感じさせる。

初日の舞台では、主人公・真一役の西島数博をはじめ、世界的パフォーマーであるフィリップ・エマール、そして、川原一馬、松本ユキ子、手代木花野の5名。たった5名でこれだけ複雑な物語を演じるのも、”MANGA Performande”ならではの画期的な表現法だ。キャストの早変わり、セットの転換、映像やパペットなど、70分の舞台には1000を超える仕掛けがあるというのだから驚きだ。

主演の西島数博は「15名のキャストがいろいろな組み合わせで出演しますから、それだけでも空気感は全然変わります。きっと観るたびに新しい発見があるはずです」と語る。
そして、初日開幕を記念して、終演後にはアニメ「W3(ワンダースリー)」第1話の上映と、主演の西島数博、演出のウォーリー木下、そして、マンガやアニメ好きで知られ、自ら声優としても活躍しているニッポン放送アナウンサー・吉田尚記によるスペシャル・トークショーが緊急開催された。

西島数博吉田尚記アナから、「まるでアトラクションみたいな舞台ですよね。年間パスが欲しいくらい。おとなしく観ているだけじゃなくて、もっと観客がどんどん参加できるようにしてほしい」と言うと、ウォーリー木下が「それは面白い」と賛同。もしかしたら、そんな企画も実現するかもしれない。  

キャストも制作者も観客とともに、舞台をもっと面白くしようという意欲が伝わってくる。
トークショーは終始笑いに包まれ、舞台の面白さ、楽しみ方がよく伝わってきた。こういう企画に今後も期待したい。一度観た人も、新たな発見、新たな企画を見逃さないよう、公式サイトやツイッターのチェックをおすすめする。

手塚治虫 生誕 90 周年記念 ワンダースリー MANGA Performance W3
DDD青山クロスシアター
2017.11月3日(金・祝) ~ 12月22日(金)
全席指定¥6,500(税込)
問合せ:キョードー東京 0570-550-799(平日11:00〜18:00)
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※手塚治虫、手塚プロダクションの「塚」は、旧漢字が正しい表記となります。